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キック修理

(Kick-arm repair)


16.10.9(土)〜10(日)(天候:曇り)

キャブ不調から脱出しつつあった我がベベルですが、「コテコテ」のセッティング(笑)を追求するあまり、10月1日の通勤時にまたもや「不調」になってしまいました・・・まぁ、直前に弄ったところは判りますから、元に戻せば治ると思いますが・・・帰宅時、あまりに「ぼこつき」がひどいので、ベベルを道端に停めてプラグを確認してみました・・・すると、リア・バンクが「真っ黒」・・・どうやら片肺になっていたようです・・・とりあえずプラグを拭いて元に戻し、キック10回くらいでようやく始動・・・さぁ「出発」という時に・・・何か妙に「キック」が開いて「ぶらぶら」してます・・・

信号待ち等で「停まりそう」になるのをスロットルを煽って堪えつつ、その「妙に開いたキック」をしげしげと観察すると・・・何故かキック・アームの上部ヒンジに今までなかったはずの「隙間」が開いてます・・・何だこれ?・・・信じたくないあまり「気付かないフリ」してましたが(笑)、所謂「キックが折れた」という状態ですね。
ちなみに「キック」と言えば、ベベルでも高価格で有名な部品です・・・この時点で「血の気が引き」ました(笑)。

帰宅後、メールや掲示板等で各方面にキックについて問い合わせをしたところ、750Sに乗られているSさんと仰る方から「使ってないキックがあるからあげます。」という実に有り難い連絡が・・・当然「断る理由」などありません、喜んで申し出に乗らせていただくことにしました(Sさん他、情報をいただいた皆さん、大変ありがとうございました)。
ちなみにショップさんでは「在庫がないか、あっても高い」という全く予想通りの状況でした・・・

さてさて、下左写真がキック・アームが「折れた」状況です・・・以前からキックを「落とした」とか「折れた」とかいう話は何度か聞いたことがありますが、まさか自分の身に降りかかってくるとは思いもよりませんでした・・・で、下中写真の左側がSさんにいただいたキック、右側が折れたキックです・・・キック・アーム自体は同じもののはずなんですが、何故か微妙にアームの角度等が異なっていたりします・・・この辺が実に「ドゥカティらしい」ですね(笑)。

Sさんから「少し変なキック」と伺ってましたが・・・裏から見るとそれがよく判ります(写真上右)・・・右が折れた方、左がSさんにいただいたキックですが、何故か左のキックには穴が「2つ」開いていて、片方は塞がれたようになっています・・・この穴には、位置決め用のスチール・ボール及びスプリングが入りますが、現在開いている方の穴は通常と「逆」の位置になります。
「通常の穴が何らかの理由で使えなくなったためではないか?」と推測されてましたが、これに併せてキック受けの方にも位置決め穴の加工が施されています・・・まぁ使えれば全く問題ありません。

まず、折れたキックからいただいたキックに「ラバー」を移植します・・・このくらい「新品」を奢ってもよかったんですが、それは「使えるものは使う」という主義に反します(笑)・・・ということで、コンプレッサーのエアを使って取り外し及び取付を行いました・・・なお、対象が細くて小さいため、この作業は結構苦労します(素直に新品ラバーを買っていれば、苦労は半分で済んだはずです)。

実はキックが折れた際、そのはずみで位置決め用の「スチール・ボール」がどこかに飛んでいってしまってました・・・この手当を「どうしようか?」と思ったんですが、結局「その辺」で「拾ってきた(笑)」「鍋ネジ」で代用させることにしました(写真下左)・・・まぁ・ステム・ベアリングの球なんかがサイズ・強度的にも適切だと思いますが、この鍋ネジだと「スプリングにねじ込んでしまえば、スチール・ボールのようになくす心配がない」というメリットがあります・・・まぁ本来、それほど強度が必要なものでもないと思いますから、大丈夫でしょう。
多少「加工」が必要かと思ったんですが、拾ってきた鍋ネジは位置決め穴に対して「ジャスト・サイズ」でした・・・ただ、キックを開閉させる際にネジの縁が引っかかるという不具合がありましたので、穴の縁をリューターで少し滑らかにしています。


「ここまで終われば完成したも同然!」と気楽に考えてましたが、ここで問題発生・・・固定ボルトが入りません(写真上中)・・・ボルトの方が、キック上部ヒンジの穴よりも0.5mmくらい太いようです・・・まぁ考えるまでもなく、狭い穴は広げればいいわけです。
ただ、ここは先に「折れた」場所でもあります・・・従って、かなり力が加わると推定されますので、必要最小限だけ削ることにします・・・ちなみにキックは結構「硬い」ので、0.5mmをリューターで削るのは「一仕事」になります・・・少し削っては「現物合わせ」を繰り返し、ようやくぴったりの穴になりました(写真上右)。

「今度こそ」完成したも同然です(笑)・・・とりあえずキック受けを付けてみます(写真下左)・・・ここでも「穴の違い」の影響が出ています・・・通常、キックとキック受けの間のスペーサーは下側になりますが、位置決め穴の違いから、このキックでは「上」にスペーサーを噛ませる必要があります・・・で、ようやく「完成」です(写真下中)。

このキックをベベルに取り付けますが・・・ここで最後の試練が(笑)・・・スペーサーが上下逆になっている関係で、ボルトの「ヒンジ受け(ネジを切ってない部分です)」の長さが足りなくなり、結果としてボルトを回すとキックが締め付けられ、キックの開閉に支障を来すことになります。
緩めに締めるとキックの際にボルトが「供回り」しますから、適切な位置を考えなければなりません・・・ということで、ボルトにネジ・ロック剤を塗りつけ、軽く締まっている位置に固定しました・・・衝撃で緩む可能性がないとは言えませんが、まぁそれほど心配はないでしょう。

実際にベベルに取り付けてみると(写真上右)、加工等々で細部は異なるものの、そんなことは一々「教えてあげなければ」誰も気付きません(笑)・・・もちろん、使用上は全く支障ありません。

本来、キック・アーム、キック受け及びボルトは「セット」ですので、基本的には「加工等」の作業が発生することはないと思います・・・ちなみにこれらの加工等を含んで、総作業時間は3時間ほどでした。

後日談: さてさて、「それほど心配はない」とか書いてますが、その後数回キックするだけでボルトが緩むような事象が発生しました・・・思ったよりもキックの反発力は大きいようです(笑)。
とりあえず、しばらくは緩むのを発見するたびにボルトを締め込み直していたのですが、それではあまりに非効率です・・・で、よくよく観察してみると、スペーサーの位置に関わらず、ボルトのヒンジ受け部の長さとキックのヒンジ部の厚みが合っていないということが判りました・・・要はボルトのヒンジ受け部が短すぎるということですね。
長さとキックの厚みをそれぞれ測ってみると、1mm程度の差があります・・・ということは、この差を解消すればいいわけです・・・というわけで、キックのヒンジ部の内側を「グラインダー」で削り込むことにしました・・・例によって「現物合わせ」の作業ですが、削りすぎると強度的に問題が発生する怖れがあります・・・ちょっと削っては合わせ、合わせてはちょっと削りを繰り返し、約30分でちょうどよい厚みとなりました(笑)。
それ以降、実走確認等のために何度もキックしてますが、今までのところはボルトの緩みは発生していません・・・このまま問題なければ「恒久対策完了!」となります。






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