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セレクター・スプリング修理

(Selector spring repair)


15.4.19(土)(天候:曇り)

4月5〜6日に行われました、「ベベル・ミーティング in Hirugami」の帰り、シフトの具合がどうにも悪くなりましたことは、日記にも書いたとおりです。
概ね、1速を除いた全てのギアで、シフトアップ時にギア抜けが多発し、高速上で何度かコンチ・サウンドを思いっきり響かせながら(当然、ギア抜けのため)帰宅することと相成りました・・・ギア関係のトラブルと言えば、クラッチ・センター・スプリングの折損がかなりメジャーだそうですが、今回のトラブルはギア抜けが多発するものの、一応はシフト・チェンジすることができるため、ここではなさそうな感じです・・・とすれば、ミッション内部かセレクター・メカニズムのどちらかのトラブルということが考えられますが、ミッション自体のトラブルは、通常の使用であれば極めて稀なこと、及び「希望的観測(ミッションが壊れると、高くつきますので・・・)(笑)」から、セレクター・メカニズムのトラブルの線が濃厚であると結論付けました。

4月13日、洗車のついでにセレクター・メカニズムを分解すると、セレクター・プレートの「凹」にはまって位置決めをする、スチール・ボールのスプリングが3つに折れていました・・・メカニズムと症状から考えると、これが折れたことにより、セレクター・プレートの位置決めが緩くなり、結果としてギア抜けが多発したと思われます・・・とりあえず、部品等がないので、そのまま組み直しました。
・・・ところが、これまで「抜けながら」も何とか入っていたはずの「ギア」が、全く入らなくなってます??・・・よくよく考えてみると、セレクター・プレートの後ろには、シフト用の「凸」があり、これがシフト・フォークに押されてシフト・シャフトが回転するという仕組みになっていますが、この辺を全く考慮せずに「適当」に組み付けてました・・・こういうことをしてはいけませんね(笑)。

折れたスプリングについて、在庫状況をバイク屋さんに確認すると、まぁ予想はしていましたが「欠品」とのこと・・・まぁ「ああいった」スプリングは何度か見たような覚えもありますし、ホームセンター辺りで入手できるかも知れません・・・まぁ仮に大したものが入手できなかったとしても、さほど精度が必要な場所ではありませんし、最悪「もう一度」分解すれば済むだけです・・・どんと行ってみましょう(笑)。


ベベルのセレクター・ユニットは、スプロケット・カバーと一体になっています・・・当然のことですが、外すためには、ステップ及びシフト・レバーを取り外さなければなりません。
シフト・レバーの抜け止めとなっているヘキサゴン・ボルトを取り外し、スパナでステップを緩めると、特にこれらを分割することなく取り外せます(上左)。
ステップ及びシフト・レバーを取り外したら、セレクター・ユニット周囲のヘキサゴン・ボルトを緩め、ユニットを取り外します(上中)・・・これを外すと、ユニット裏側にシフト・シャフトのリンク及びクラッチのプッシュ・ロッドがありますので、落とさないように(上右)・・・なお、クラッチ・ワイヤーは、ユニットを外すときに弛みますので、特に手を加えることなく外すことができます。


セレクター・ユニットの裏側は、こんな感じです(上左)・・・マイナスのスクリュー3本でカバーが留まってますので、取り外します。
カバーを取り外すと、すぐにセレクター・メカニズムにご対面となります(上中)・・・で、これがセレクター・メカニズムの中核となる、シフト・フォークやセレクター・プレートの類です(上右)・・・この内部には、数枚のワッシャーがありますので、位置を間違えないようにしましょう。


上左写真の中央に見えるのが、スチール・ボールです・・・この裏にはスプリングが入っており、これが押されることによってセレクター・プレートの位置が固定されます。
ボールを取り外して中のスプリングを取り出すと・・・このようになってました(上中)。
ここで「おかしなこと」に気付きました・・・どうやら、このスプリングは「折れた」のではなく、「折れていた」ようです・・・上中の写真を注目していただければ判りますが、上2つは確かにスプリングが「折れた」ものですが、下のは「スプリング・ワッシャー」です・・・ここには「このようなもの」が入っているはずはなく、また、折れた2本のスプリングの「間」にスプリング・ワッシャーが入っていたことから、このことは間違いないと思われます。
おそらくレストア時に「スプリングが折れていたけど、面倒だから”間にワッシャーを噛まして”組みました♪」という図式でしょう・・・とてもプロの仕事とは思えません・・・さてさて、今回のトラブルですが、要は何らかの拍子に、スプリング・ワッシャーが回転して、ちょうどスプリングとスプリング・ワッシャーの「折れ目」が重なってしまい、スプリングのテンションが足りなくなったために発生したと思われます・・・仕事はきっちりすべきですね(笑)。

・・・といいつつ、私が使用するのも「代用品」です(私はアマチュアだからいいんです)(笑)。
折れたスプリング及び、これが収まっていた「穴」から考えると、スプリングの径は8mm、長さは12〜14mm程度、スプリングのテンションはかなり「固め」です。 ホームセンター辺りでスプリングを捜索しても、径はともかく、長さとテンションが合うものはなかなかありません・・・長さは「切れば」済むんですが・・・テンションはどうしたものでしょう?・・・というところで、ふと考えました。 「1本で足りなければ2本使えばいい」ということです・・・外形の8mmは決定事項ですので、8mmの中でも「固い」スプリングを探します・・・しかしこれではテンションは足りませんので、この内側にはまるサイズのスプリングをもう一本使用します・・・今回は、5mmのスプリングを使用しました。
参考までに、購入したスプリングは「8×70×1.2(線材径)mm」及び「5×70×1.2mm」の2本です・・・これらを13mmでカットして(上右)、組み合わせて使用します(下左)。


さてさて、先日は「適当に」組み付けてしまったセレクター・プレートですが・・・確実な位置に組み付けなければなりません。
上中の写真を見ると、右のセレクター・プレートに、スチール・ボールがはまる凹が6つ見えます・・・つまり、各ギア及びニュートラルに対応しているということですね(笑)。 従って、セレクター・ユニットを取り外したときに、ギアがニュートラルであれば「ニュートラル位置(右側の間隔が狭い3つの凹の中央)」に、スチール・ボールが合うように組めばいいわけです(上右)。


それからシフト・シャフトのリンクとセレクター・シャフトを合わせて(上左)、クラッチのプッシュ・ロッドとクラッチ・アームの凹を一致させつつ組み付けます・・・最後に、ステップ及びシフト・レバーを元に戻せば完了です(上右)。

ここまでくれば、あとは動作確認だけです・・・エンジンを回して、センタースタンドをかけたまま、ギアの入りを確認します・・・が、何故か3速から上がおかしい?・・・エンジンを停めて、もう一度セレクター・ユニットを分解組み立てましたが、特に異常はありませんでした・・・再度点検を行うと、今度は1速以外に入らない・・・れれれ?
そこでふと気付きました・・・最初の確認と、あとの確認では「シフト・レバーの角度が異なっていた」・・・まさかと思いつつ、ステップ及びシフト・レバーだけを取り外し、少し角度を起こして組み付けると・・・シフトアップは問題なし・・・ですがシフトダウンが入らなくなりました・・・なるほど、ここか・・・
この位置を基準にして、エキセントリック・アジャスター(上右写真の、シフト・シャフト下に、六角ナットでロックされている)を回して、シフト・レバーを微調整すると・・・ようやく、シフトアップ・ダウンともに快適なフィーリングとなりました(この調整は少しシビアです)。

とりあえず、ミッション本体でなくてよかった(笑)・・・作業時間は、実質2.5時間というところでした。






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