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750SS所有始末記

(Ownerment road of 750SS Imola)

今でこそ、YAHOO!に「ベベルバカの館」なるトピを立ち上げ、このようなHPまで作ってしまうほどの「ベベルバカ」である私であるが、実は以前は、それほどベベル系は好きではなかった。
某雑誌等で紹介されている「ドゥカティ」というバイクに惹かれ、限定解除を決意した私であったが、いわゆる「ドカ本」なんかをチェックしていても「欲しかった」のは851や916系といった「水冷8バルブ」であり、空油冷のSSやパンタ系は「次善の策」、ましてやベベル系などというモノは「よっぽどの物好き」が乗るものだと思っていた。 基本的に「メカメカしい凝縮感」といったものが好きだった私にとって、ベベル系のドゥカティは「妙に」スカスカ感を感じさせるバイクであり、特にこれらに掲載されている写真が「斜め前」からのビューが多かった(というより「ほとんど」)せいか、フロントフォークのキャスターが強調され、フロントフォークが思いっきり前に突き出している「格好悪いバイク」と感じられたのである。

やがて限定解除を果たした私は、水冷8バルブを購入するほどの資金がないこと、これらの入荷状況が不透明であったことを理由として(916系は2年待ちとか言われていた。)、たまたまバイク屋に在庫のあった「91年式900SS」を購入したが、前述の理由から「当然のように」ベベル系など眼中になかった。
そういった訳で、半ば「水冷系の代用」と見なしていた900SSであったが、水冷系を横目で見ながら乗っているうち、これが予想以上に手強く、おもしろく、そして自分自身のフィーリングに「ほどよく」フィットしていることに気付いた。
「ドカのスーパースポーツって楽しいじゃん!」・・・
つらつら考えてみるに、自分の「腕」と相談してみても「水冷系」のパワーはとても扱いきれないだろうし、これで十分・・・いや、気負いなく乗れるだけSSの方がいいんじゃないか?
乗れば乗るだけ新しい発見があり、乗りこなすため新しい課題が生まれる・・・「スーパースポーツ」とは「かくある」べし!こうして900SSに「はまって」いった私であるが、そこで「はた」と思い出した。
・・・そう言えば、ベベルにもSSがあったっけ・・・
「ベベルにもSSがある」というより、ベベルにあったSSの称号を空油令が受け継いだのであり、スーパースポーツとしてはベベルの方が本家本元、いわば「原点」である。 にわかに「ベベルのSS」に興味がわいてきた。

そこで、認識を新たに「ドゥカ本」を引っぱり出して、ベベルのSSを調べると一枚の写真が目に止まった(それまで何度も見ていた本だけど、多分、ベベルのところだけ読み飛ばしていたんだろうなぁ・・・)。 「左斜め後方から」撮影された「74年式 750SS イモラ・レプリカ」である。
・・・えっ?前に見た「格好悪い写真」と違うじゃん・・・
イモラタンクのグラマラスなボリュームと、ラウンドケースエンジンの美しさが見事に強調された「その写真」によって、ベベルのSSに対する認識は一気に改めさせられることになった(ちなみに、今でも「斜め後方」からのビューが一番好きである。)。 そういう認識で見ると、これまで「格好悪い」と感じられていたものが、嘘のように「格好いい!」と感じられるようになるのは不思議なことである。 いつかは「SSの原点であるベベルのSS、それも出来れば原点中の原点、ラウンドケースのSS」に乗ってみたい・・・そう思い始めたのはこの頃であろう。
いろいろ調べるうち、ラウンドケースのSSが「高くて買えなかった水冷8バルブ」の新車より「はるかに」高価であり、さらに「手放すオーナー」がほとんどいない等の現状が判るにつれ、恐らく「夢」で終わるんだろうなぁ・・・と考えざるを得なかったのも同じ頃である。
どうせ買えない「ラウンドケースのSS」は、例えば「プロダクション・レーサー」と同じものと見なせば、諦めもつくというものである。 そんなわけで私は、手に入れ得るスクエアケースのSSを「所有したい」と考えるようになった。

話が前後するが、91年式900SSはその後3年間余り、北は北海道から南は九州まで「私の相棒(あぁ、恥ずかしい言い方)」として活躍した。 この間、ビモータYB−8フラノを購入したが、SSを手放す気がなかったため「増車」という形になったのは言うまでもなかろう。
900SSとのつきあいは、アパート暮らしのため屋外保管をせざるを得なかった状況で、私が不在間のある年の「台風」によって横倒しとなり、その修理費を捻出できなかったことにより終わりを告げることになった(このときフラノは、ミッション・トラブルのため、たまたまバイク屋に入院しており無事であった。)。 結局、フラノのトラブルの修理代及び女房のバイク購入資金を捻出するため、SSを売ることにした(ちなみに、このSSは私の友人の間を渡り歩き、現在でも友人が所有している。)

さてさてSSを手放した私は、フラノだけでも楽しめるだろうと思っていたが、やはり「何か違う・・・」と感じるようになった。 ドゥカティに慣れた体にとって、フラノは「たまに」乗る分には「楽しめるバイク」なのだが、やはり「ドゥカティ」に乗りたくてしょうがないのである。 しかしこの間、家を購入したため2台も所有する余裕がない・・・そこで私は、フラノが車検を迎えることを機に、ドゥカティ、しかもベベルを物色し始めたのである。
ベベルを探し始めて少し経ったある日、家の近所の中古外車専門店で、程度の良さそうなスクエア900SSを発見した私は、そこが「車屋」であるにも係わらず、そこの社長に相談を持ちかけてみた。 すると「しばらくエンジンをかけてないので動くかどうか分からないが、フェラーリの程度のいいのを買いたいのでお金が欲しい。 条件さえ合えば売ってもいい。 これは自分の持ち物なので、売買は個人売買の形式にする。」とのことだった。
結構な「手応え」を感じた私は、とりあえずフラノの車検を通し、オークションでフラノを売却してこのSSの購入資金に充てようと考えた。 こうしてフラノの売却資金+αの条件を用意した私は、車屋の社長に条件提示したところ「少し考えさせて欲しい。」と言われ、しばらく待たされた後、フラノの売却後に「やっぱり惜しくなるだろうから」という理由で断られてしまった(条件が気に入らなかったらしい。)

フラノを売却してしまっていて、私は免許取得後初めて、バイクのない数ヶ月を送ることになった。 もっとも女房のバイクはあるにはあるが、私の乗りたいバイクではない・・・知り合いのバイク屋を通じ、各所にあたってみるが「めぼしい」ベベルはなかなか見つからなかった。

そんなある日、先日発刊されたばかりの「ドカ本」の在庫情報を見ていると、一つの在庫が目に入った。
「74年式 ドゥカティ750SS イモラ・レプリカ:フルレストア済み」
それまでにも色々なショップで「レストア済みのイモラ・レプリカ」は目にしていたが、それらはとても購入できる価格とは思えなかった・・・しかしこれは、それらと比べても100万円は安く、ちょっと無理すれば「手の届く」くらいの価格である(当然「長期ローン」を利用することにはなるが・・・)。 早速、女房に相談すると「あなたは、欲しい!と言ったら絶対に買うだろうから、どうしても欲しいのなら買ってもいい」と承諾してくれた。 もっとも、ローン期間中の「小遣い」の減額を要求されたが、まぁそれは仕方ない・・・「夢」であった「ラウンドケースのSS」を所有できるのなら、それくらいは我慢せざるを得まい。

下準備は整った。あとは「連絡」して契約を進めるだけである。
広告を出していた「モトプラン」に連絡を入れ、東京にて現車確認したい旨を申し出ると「この車両は愛知本店にあり、現在、別の客と交渉中のため東京に送るのはちょっと難しい」とのことであった。 こちらとしても、この程度で引き下がるくらいなら最初から「下準備」なんかしない。
「購入意志はほぼ固まっているが、どうしても最終的に現車確認をしたい。」とかなんとか言って、「それならば・・・」ということで、次の週早々には東京まで送ってもらう運びとなった。

現車確認当日、女房と連れだって東京渋谷の「モトプラン東京ブランチ」まで出向いた私は、そこで初めて「実物」のラウンドケースSSを目の当たりにした。
従業員に来店した旨を告げると、東京支店長及び車両を運んでくれた愛知のマネージャがやってきた。 はやる気持ちを抑えて、輸送のお礼をいい、車両の状態について質問する。
「アメリカでレースに使用されていた車両を輸入し、公道で走れる状態に戻した。 特にエンジンについては全バラの上、きっちり組み直しているので自信がある。」とのこと、実際にエンジンをかけて見せてくれた。
キック1発で目覚めたエンジンは、いかにも「調子の良さそうな」エンジン音を奏で、ブリッピングもいいレスポンスである。 「いかがです?」は愚問である。欲しいに決まっている。
一応、そのために同行してもらった女房に「本当にいいか?」と聞くと、これもまた当然のように「自分がいいなら、いい」ということなので、購入を決めることにした。

納期については約1ヶ月ということだったが、この間が待ち遠しく、また「うきうき」していたのは、自分の欲しいバイクを買ったことのある人なら経験したことがあろう。 この間、何度もドカ本の「ラウンドケースSS」のページを開いて、飽きるほど(飽きなかったが)同じ記事を読み返したりしていたのも、おそらく先の「経験」に含まれているのではないかと思う。
さて納車当日、昼過ぎにモトプランに到着した私は、「まだ最終点検中」との言葉でしばらく待つことになった。 その間にも、所有できた嬉しさやら「右シフト逆パターン」への不安やらで複雑な心境であり、点検作業の状況を眺めていることで心を落ち着かせた。
そうこうするうち、最終点検が終了したのは夕方の6時、実に6時間かかったことになるが、それほど「待った」という感じがしなかったのは、先の心境のせいであろう。
一応の説明を受け、ようやく車両を受け取りキック! やはりというか1発で目覚めたエンジンは軽やかに回り、これから帰宅するまでの道中、そしてこれから先のベベル・ライフが「とても楽しい」ものになるであろうことを予感させた。

まぁ、その後については皆さんご承知のとおりである。 スーパースポーツの原点たるベベルSSは、やはり生粋の「スーパースポーツ」であった。 それ故に、私はベベルに乗るたびにはまり込み、今では「ベベルバカ」の端くれとして、社会復帰が困難なほどはまり込んでしまっている・・・






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